高照寺は口伝によると長享3年(1489)頃の創立とされていますが、古文書によると川名藤七郎が元禄年間(1558~1570)に建立したとされています。
安房国百八ヵ所地蔵菩薩の二十九番、平群二十一ヵ所大師の二十一番札所でもある高照寺。元々、安房国札観音巡礼の十五番札所だったのは大椙山椙福寺で、ご詠歌に詠まれる通り大杉(大椙)山と呼ばれていました。
古くは山頂のお堂に行基作の十一面観音菩薩像が安置されていましたが、椙福寺の衰退に伴い、大正7年に高照寺へ移されて現在に至るとのこと。椙福寺の仏具として、永享3年(1431)の銘がある鰐口も寺に保管されてあります。
大杉観音と呼ばれる椙福寺観音堂は、いまは高照寺の一堂となっています。
高照寺は牛の安産寺で知られ、境内には蓬莱稲荷が祀られています。
のどかな平久里川の上流域にある高照寺。平群と大山を結ぶ町道沿いには梅が植えられ、梅街道といわれています。御殿山遊歩道が整備され、農産物直売所や山登りのハイキングコースもあります。
富山、伊代ヶ岳と並び、富山三山といわれる御殿山は安房の名峰。
里見氏が当地で鷹狩をしたときに御殿を造ったのが、山の名の由来といわれています。
御殿山への登山ルートはいくつかありますが、高照寺から登る道は最も眺めが良く、人気のあるコース。
お寺から足を延ばし、心和む名峰の眺めを存分に味わって、一息ついてみてはいかがでしょうか。