歴史を知る

観音院

第三十三番 観音院
真言宗智山派
本尊・聖観世音
住所・千葉県館山市西長田372
電話・0470-23-7289/0470-22-4362(来福寺)
ふるさとを はるばるここに すぎもとへ わがゆくさきは ちかくなるらん

命を助けた、身代わり観音

静かな山里の風情豊かな土地に建つ観音院。行基菩薩が聖観音菩薩像を刻み、安置したのが始まりといわれています。天平6年(734)には、慈覚大師がお堂を作りました。
お寺の門前で左右を固めるようにして建つ六地蔵を拝みながら、ゆったりとした雰囲気の境内へ。
境内には室町時代の五輪塔や宝篋印塔(ほうきょういんとう)の笠があり、寺の歴史の長さを物語っています。

観音院

本尊の聖観世音菩薩像は平安時代の作で、藤原様式の仏像。この観音様にはある伝説があります。
天正時代に堂守・平野三郎左衛門が鎌倉で処罰されようとしたとき、観音様が扉を開けて出ていき、身代わりとなって助けたといわれています。この霊験が伝えられて、「身代わり観音」と呼ばれています。
堂内にはたくさんの安産祈願の底抜け巾着袋が吊るされています。安産のご利益があり、無事安産した暁に袋を納めるとのこと。

観音院

ほっと心が和む結びの寺

観音堂向拝の龍は、明治28年の千倉の彫刻師・後藤義光の作品。欄干の飛天は明治34年、義光が88歳で亡くなる前年の、最晩年円熟の作品です。
寺には天保4年(1833)の石灯籠や、享保15年の御詠歌額も。慶長11年(1606)には里見忠義から2石の寺領が寄進され、その時の朱印状も残されています。

古来、安房国礼観音霊場巡りの三十三番の結願寺として、多くの巡礼者を見守ってきた観音院。心が和むその佇まいに、ご詠歌で「我が行く先は近くなるらん」と詠まれた通り、巡礼者のほっとする安堵の心が伝わってきそうです。

観音院

  • はじめに
  • 那古寺
  • 新御堂
  • 崖観音
  • 真勝寺
  • 興禅寺
  • 長谷寺
  • 天寧寺
  • 日本寺
  • 信福寺
  • 往生寺
  • 金銅寺
  • 福満寺
  • 長谷寺
  • 神照寺
  • 高照寺
  • 石間寺
  • 清澄寺
  • 石見堂
  • 普門寺
  • 石堂寺
  • 智光寺
  • 勧修院
  • 宝珠院
  • 延命寺
  • 真野寺
  • 小松寺
  • 住吉寺
  • 松野尾寺
  • 金蓮院
  • 養老寺
  • 長福寺
  • 小網寺
  • 観音院
  • 滝本堂
  • 震災観音堂
  • 観音寺
  • 水月堂